サッカーの中で一番難しいルールと言えばオフサイドです。
ルールの説明文を読むとわかりづらく、理解できないまま諦める方もいるかと思います。
しかし実際は絵で見ると簡単に理解できます。
今回は簡単にオフサイドをわかるよう図を使って説明します。
オフサイドとは?
オフサイドとは、簡単に言うと「待ち伏せ禁止」のこと。
サッカー競技規則の第11条にオフサイドの説明が載っています。
- 頭、胴体、または足の一部でも、相手競技者のハーフ内にある(ハーフウェーラインを除く)、そして
- 競技者の頭、胴体、または足の一部でも、ボールおよび後方から2人目の相手競技者より相手競技者のゴールラインに近い場合
参考:サッカー競技規則第11条より
- オフサイドとは、攻撃の選手との間に守備の選手が1人しかいない場合オフサイドとなる。
- 攻撃の選手が守備側のゴールラインから2人目の守備選手よりゴールラインに近い位置にいる場合オフサイドとなる。
文章でオフサイドを説明すると、何を言っているのかがわかりにくいですね。
私も最初オフサイドの説明を読んだ時、どういう意味のかよくわかりませんでした。
しかし図を使って説明すると簡単に理解できます。
オフサイドを図を使って説明
オフサイドについて図で説明します。まずはオフサイドでは無い場合から。
オフサイドで無い場合
まずはオフサイドでは無い場合(オンサイド)を説明します。
上の図は青いチームが、赤いチームのコートに攻めている場面です。青色のMF(ミッドフィルダー)がボールを持っているとします。
この時赤いチームのDF(ディフェンダー)は4人並んでいて(4バック)、一番後ろにいるDFの位置が最終ラインになります(黄色い点線)。
上の説明文では2人目の守備の選手とありましたが、GK(ゴールキーパー)をあわせた数なので、一番後ろの選手が最終ラインになるのです。
実際の試合を見てみると、最終ラインにいるDFに並行してラインズマン(線審)が一緒に走っています。
あれはオフサイドラインを常にチェックしているのです。
この最終ライン(上の黄色い点線)より前(上)に青いチームの選手がいた状態で、パスを受けるとオフサイドになります。
この図で言うと、青色のMFがパスを出す瞬間、青色のFWは最終ラインより下(内側・図で見ると下側)にいるので、この場面ではオフサイドではなく、オンサイドになりそのまま試合は流れていきます。
オンサイドの場合は、FWががパスを受けてシュートしボールがゴールポストに入るとゴールと認められます。
ここで一つ注意ですが、FWはMFがボールを出す瞬間のみ最終ラインより内側にいればOKで、パスが出た少し後(直後)に最終ラインを超えてもオフサイドにはなりません。
このあたりはDFとFWとの駆け引きになります。
実際にスタジアムで見ると、この駆け引きがよく見えるので面白いですよ。
オフサイドの場合
次にオフサイドの場合を図で説明します。
青色のMFがパスを出す瞬間、FWが最終ライン(一番後ろのDF)より前(外側)にいるので、この場合はオフサイドとなり笛が吹かれ試合を停止、相手側のフリーキックとなります。
あくまでも青色の選手がパスを出す瞬間なので、パスを出した数秒後にこの位置にFWが行けばオフサイドにはなりません。
この図を見るとオフサイドって簡単にわかりますが、実際はボールと選手が常に動いている中での判定になるので難しいことが多いです。
FWが上手に最終ラインを飛び出して、実際はオンサイドであっても、微妙な判定でオフサイドと判定されてしまうこともあります。
見落としがちなオフサイドにならない場面
上の説明だけでほとんどが通用しますが、たまにオフサイドにならない画面が出てきます。
忘れがちなオフサイド/オンサイド例を紹介します。
GK(ゴールキーパー)が飛び出している場合
残り時間が短くなり、試合に負けていると背の高いGK(ゴールキーパー)が前線に出ていく場面があります(CKの場合など)。
このような時には、最終ラインは一番後ろのDFではなく、もう1人前のDFが最終ラインになります。
ハーフウェーラインを超えていない場合
一番最初のサッカー規定の()の中にハーフウェーラインを超えていない場合は例外とあります。
この意味は、相手陣地より内側(自分の陣地)でオフサイドポジションにいてパスを受けてもファールになりません。
全員が引いて守っていて、そこからカウンターになる時に、ハーフウェーライン内側にいたFWがオフサイドラインであっても、それはオフサイドにはならないというルールがあります。
コーナーキック(CK)はオフサイドにはならない
CK(コーナーキック)は一番下の位置にいるので、それより前に選手がいるわけはないので、オフサイドにはなりません。
スローインはオフサイドにならない
スローインの場合は、相手選手の前に出ていてもオフサイドになりません。
もしオフサイドの判定をされたら、それはミスジャッジです。
センタリングはオフサイドにならない
ボールを持った選手がサイドからセンタリングをする時、ほとんどの場合は自分がいる位置より中に上げることが多いので、その場合はオフサイドにはなりません。
例外としては、そのセンタリングが内側ではなく、外側(前目)に出された場面ではギリギリのラインでのオフサイドは存在します。アーリークロスなど。
あくまで今いる位置から前であるかないかの判断です。
ボールに絡んでいない選手がオフサイドラインにいてもオフサイドにはならない
このルールはよく変更されているのですが、全くボールに絡んでいない選手が、最終ラインを越えていてもオフサイドにはなりません。
例えば右側で試合が展開している中で、左端で足が痛くて止まってみる選手がいたりした場合などがそれにあたります。
昔はそれでもオフサイドとして判定されていましたが、今はオフサイドにはなりません。
このような場面は色々なケースがあるので、判断は審判に委ねられます。
※このルールは微妙に変わるので最新ルールに基づいて判断されます。
手や腕はオフサイドにならない
サッカーは手を使わないスポーツなので、手や腕がオフサイドラインであっても、オフサイドにはなりません。
「第11条オフサイド・オフサイドポジション」によると、腕の上限は、脇の下の奥の位置までとなっています。
※ワールドカップカタール2022・決勝のメッシの場面は、手だけが出ているので明らかに(オフサイドではなく)オンサイドです。
最後に
海外のサッカーをテレビで見ていると、しつこいぐらいにオフサイドのラインを真横から何度もリプレーで見せている場面がありますね。
日本ではオフサイドの微妙な判定をスルーしがちですが、審判のレベルを上げるためにも、微妙な判定には実際はどうだったのか?を確認する映像が見たいものです。